「 「雫」展作品制作Ⅰ 」


2018年6月4日

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今週金曜日からの「雫」展に今回は作家の一人として参加します。 書の作品はなかなか理解されないものが多いのですが今回は他の作家さんたちの作品を引き立てるような会場装飾的なものを多くつくっています。

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そんな中でおそらく何これ?と一番いわれそうだな、と思うのが 墨と朱の雫作品。 墨は新品のまま一度も使われず半世紀を経た古梅園の古墨。

数十年間で枯れた墨に初めて水を含ませ、墨となった黒色を雫型で表現したもの。物事の始まりや最初の一滴、を表現できたら・・・と。

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そして朱色の雫は何か篆刻作品を彫ろうか、と考えていたときに集めていた篆刻石の中に雫型の石を見つけたのです。 こんな整った雫型に何か彫るよりもそのままで自然な「素」の良さを表現できたら、と思いそのまま表面のみを平らににし印としました。

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印泥は篆刻の師、吉永隆山先生より譲っていただいた最高級の印泥、高式熊印泥の珍品を使用(偽物が多い珍品。私や仲間も有名書道店で安心して購入したら偽物だった、ということもありましたがこちらは本物です)

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シンプルなだけに額も大切。 今回の展示で使用している額は全てオーク材のオーダー。静岡の工房で仕上げられる額を仕上げてくださるのはいつもミリ単位での注文にも応じてくださる高い技術を持つ福田氏。

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「額」にこだわりを持たなければ費用は抑えられるのですが海外でいい加減に作られた大量生産のものを使う気にはならないですし 丁寧な仕事をする職人さんたちへのリスペクトも込めてやはりMade in JAPANにこだわりたいな、と思います。