GALLERY KAIがオープンして一年後の4月、敷地内に「鮓処米八なりさわ」はオープンしました。
ご縁が重なりお店を開くことになった大将・成澤勝さんの職人としての腕、真剣な仕事ぶり、明るく誰もを引き付ける人柄は最初に出会ったときからずっと変わらず 私も長年、成澤さんの握る鮨のファンでした。
開店直後は思いがけないハプニングもありましたが 思考錯誤を繰り返しながら日々の努力を積み重ね 素晴らしいお客様にも恵まれ 少しずつ理想のお店に近づきつつある手ごたえを感じていました。
大将・成澤の握るお鮓の美味しさと丁寧な仕事にこだわる料理長・高橋の季節の料理を合わせた「鮓処米八なりさわ」では常にお客様に喜ばれるよう二人で朝早くから真面目に丁寧に仕込みをする姿がありました。
お店をオープンしてから2年半、お店も軌道に乗り常にご予約をいただけるようになった昨年の秋 突然 大将・成澤の病気が発覚し「鮓処米八なりさわ」を一時休業することとなりました。
お客様からの励ましもいただきながら 一日でも早く仕事復帰をするべく病気と闘ってきた成澤さんですが先月お盆の頃、天国へと旅立ちました。
お店もそのまま、成澤さんの自転車も、すべてここにあるのに もう帰ってこないのだ、ということが信じられず、成澤さんの笑顔ばかりが浮かび お客様にもきちんとお知らせできないままでおりました。
週末に成澤さんの四十九日に合わせ 彼の故郷、山形へ行ってきました。 大将・成澤がこだわりの鮓に使っていたのは故郷・山形のお米。
黄金色に実った稲穂の続く景色を眺めながら まだ成澤さんがいない、ということはどこかで信じられない気持ちもありますが 少しずつでも皆さんにちゃんとお知らせしないと、と思えるきっかけとなりました。
2年半という短い期間でありましたがご愛顧いただきましたお客様・支えてくださった皆さまに心よりお礼申し上げます。
そして吉祥寺に「鮓処米八なりさわ」というお店があって その店の大将・成澤が握る鮓は本当に美味しかった!とずっと覚えていてくださったらきっと成澤さんも喜んでくれると思います。
(思いはいっぱいなのですが文章にまとめられません・・・ブログもずっと更新できずにいました・・・また少しずつ思い出をつづりたいと思います)